みさき公園の閉園が近づいてきたので思い出を振り返る
大阪の南端、岬町にある動物園「みさき公園」の閉園日、2020年3月31日が迫ってきました。
小さい頃、家族で出かけるとなると決まってみさき公園に行っていた僕にとってはショックなニュースで、東京で暮らす現在では簡単に行けないため、ここで思い出を振り返ります。
泉州唯一の動物園 みさき公園
みさき公園は前述の通り、大阪の南端にある動物園です。
最寄駅は南海電鉄の「みさき公園駅」。運営も南海電鉄で、沿線の価値向上を目的に設立されたと思われます。(厳密には子会社に運営譲渡してたはずだけど、その辺は割愛)
関西の私鉄は運輸以外の事業にも力を入れているケースが多く、ひらパーを運営する京阪、パルケエスパーニャの近鉄、六甲山上のレジャーを一手に担う阪神、古くは宝塚ファミリーランドがあった阪急、といった具合に、各社何かしらのレジャー事業がありました。
また、京阪を除く全電鉄が球団を持つ「野球大国」でもありました。(南海ホークス、阪急ブレーブス、近鉄バファローズ、阪神タイガース。こう考えると阪神はすごいですね)
大阪の南、泉州は人口がそれなりに多いにも関わらず、動物園がほとんどない「動物不毛の地」です。
みさき公園は私のような南大阪の子供達に動物とのふれあいを一手に担っていました。
(天王寺まで行くと天王寺動物園があるんですが、あちらは比較的都市型というか、ピクニックセット持ってレジャーするぞ、という雰囲気ではないので、やや立ち位置が違います)
行き先が毎度みさき公園なのは父親のチョイス
子供のころ、家族で外出するとなると行き先は大概みさき公園でした。
というのも、僕の父親は南海電鉄に勤務していたため、おそらく優待券的なものがあったのではないかと予想しています。今思えばなんとも安上がりな理由で作り上げられた幼少期の思い出です。
とはいえ、僕が今でも動物好きなのは当時のことが影響していることは間違いなく、現在にポジティブに効いていると思う今日この頃です。
押さえるべき動物は押さえていたみさき公園
みさき公園はそこそこ敷地も広く、動物の種類も豊富です。
小型獣はカピバラ、コツメカワウソ、ビーバー、頭数は少ないがプレーリードッグ、ミーアキャットにレッサーパンダ、大型獣はキリン、ライオン、トラ、ツキノワグマと、集客できるスター動物はひとしきり揃っています。
(数年前にゾウが死んでから少し寂しい印象はありましたが)
特にキリンの繁殖頭数は国内随一で、「キリンのみさき」の異名を獲得していました。
僕も小さい頃、みさき公園でキリンのぬいぐるみ(未就学児と同じくらいの背丈)を買ってもらい、日がな一日遊んでいた記憶があります。
個人的にはでっかいサル山にいるサルたちが一番印象に残っています。
サル山の脇にはエサが売っていて、そこで買ったペレットを投げ込んでいました。
また、海洋生物のラインナップも優秀で、アシカ、アザラシ、イルカといった大型の海獣が揃っており、ちょっとした水族館に負けずとも劣らない飼育頭数でした。
イルカショーがウリだったことも印象的で、目の前に広がる海とプールで飛び回るイルカがなんともマッチした景色を見せてくれていました。
(みさき公園には大型プール施設「プールランドRio」も併設されており、水回り(?)に力を入れていました)
みさき公園閉園は時代の流れなのか
あやめ池遊園地や宝塚ファミリーランド、神戸ポートピアランドといった関西の遊園地はある時期を境にどんどん閉園していきました。
生き残ったものの、その業績は芳しくないところも多くあります。
ひと昔前ですが、他のレジャー施設が軒並み業績を低下させる中、みさき公園だけは前年度の売上を上回った年がありました。(確かちちんぷいぷいで放送してたはず…ソース薄くて恐縮です)
理由はみさき公園が唯一動物園と遊園地の複合型レジャー施設だったため、遊園地不況の中でもリスク分散ができたのではないか、ということ。
そんなみさき公園でも、閉園という決断に至ってしまいました。
ひとえに、娯楽の選択肢が広がりすぎたのだと思います。民営の動物園が事業を維持するのは相当に苦しかったはずです。
幸い、みさき公園の動物たちはアドベンチャーワールドにお引越しすることが決まっています。
動物と触れ合うことは人間にとってなくてはならない営みだと信じて止みません。今の僕の一部を作ってくれたみさき公園に、感謝しています。これからも動物が好きな人間でい続けます。
今日はこの辺で。