大阪府唯一の村 千早赤阪村の原風景をぶらり

平成の大合併により、体力がない自治体が周辺の地域に吸収され、村が一切ない、という都道府県も珍しくありません。

 

「村無し県」は地方が顕著で、神奈川には清川村、愛知には飛島村、東京は伊豆諸島のおかげで全国でも屈指の数の村があります。

 

大阪もその例に漏れず、43の自治体のうち、1つだけ残存している村があります。

 

今回はそんな大阪の村、千早赤阪村をブラブラした話です。

 

大阪唯一の過疎地域 千早赤阪村

千早赤阪村大阪府南河内地方、金剛山を隔てて奈良県と隣接した場所にあります。

 

人口は平成27年の発表で5,378人。もちろん?大阪府内で最下位です。 

以前こちらの記事でご紹介したとおり、大阪は狭いながら府内全域に満遍なく人が住んでいることが特徴なのですが、千早赤阪村はその中でも異質というか、抜きん出て人口が少ない自治体です。

大阪府の人口と可住地面積の話 - ソトブラ -ソトをブラブラしたくなる土地ネタブログ-

 

村内に電車の駅はなく、ロープウェイの駅があるだけ。高校はおろか、コンビニもなく、府内で唯一の過疎地域に指定されています。

 

そんながっつり田舎の千早赤阪村ですが、電車以外ならアクセスは容易なので、この日は実家で腐っていた原付に乗って遊びに行きました。

 

棚田と楠木正成の地 千早赤阪村

2016年9月、実家の岸和田を出発して2時間弱、あっさり千早赤阪村に到着です。

平坦な土地が多い大阪ですが、奈良との県境にほど近い河内に入ると、山に囲まれた景色に変わっていきます。

f:id:zakymonster:20200607110305j:plain

 

 

 

千早赤阪村は棚田が有名で、その風光明媚な風景から、日本の棚田百選に選ばれています。

棚田の良し悪しはわかりませんが、確かに夕焼けの生える原風景というか、心のふるさとと言って差し支えない光景が広がっています。

千早赤阪村 棚田

千早赤阪村 棚田

 

 

 

また、千早赤阪村は鎌倉〜南北朝時代の武将 楠木正成の出生地と言われています。

南北朝時代にはこの場所にあった千早城を舞台とした赤坂の戦いがあり、この戦いで幕府から護良親王を守ったことで名前を挙げたと伝えられています。

 

村内をブラブラしていると、そんな赤坂城跡への道のりを示す手製の看板を見つけました。

赤坂城より気になったのがその下にある「ここは道の駅 誕生地」の文字。

え、千早赤阪村って道の駅発祥の地なの?と驚き、後ほど調べたところ、どうやら道の駅第一号を名乗る場所は島根や山口、新潟など、全国に点在しているようです。この看板も参考程度に思っておいたほうがよさそうです。

 

 

 


散歩を続けていると、ウッドデッキのような休憩所を見つけました。

しばし休もうと立ち寄ると、味のある看板を発見。

 

なにもないからいいところ…。 

なにもしない贅沢。

のらりくらり、ぼけ〜っと…。

いやしの里でのんびり過ごす贅沢。

ちはやあかさかで過ごす、

至福の刻。

 

 

 

先述のとおり、千早赤阪村はコンビニもない不便な場所です。

とはいえ、コンビニがないことで、どこまで歩き回っても自分の知っている世界に引き戻されず、普段考えないようなことに考えを巡らせることができます。

フル回転して思慮に耽ると、頭の中がクリアになり、スッキリした気持ちになります。脳のデトックスです。

普段暮らしている環境は外界の刺激が多く、内なる思考に集中することが思った以上に難しいので、それができるだけでも素敵な場所だなあ、この看板に書いてある言葉は、まさに真理だなあと感じました。

 

 

 

その後も見渡す限り緑色の景色に囲まれながら、日が暮れるまで村を堪能しました。

頭が疲れたらまた来ようと誓い、帰路に着きました。




 

それでは今日はこの辺で。