飛行機とフェリーで恐山へ④ ちょっと脱線 核施設の村 六ヶ所村を通過した時に感じたこと
フェリーから見た夜空に心奪われた夜を経ていよいよ青森へ。
これまでの旅程はこちらから。
下北半島を北に向かってドライブ
午前7:30。八戸港に到着です。
早速港近辺のレンタカー屋に行き、車を借ります。
青森県の北部はざっくり津軽半島と下北半島で構成されており、恐山は下北半島の突端部、斧の刃のようなあたりにあります。
八戸港からだとおよそ100km超、2時間くらいの行程です。
小川原湖という湖を越えるあたりまでは青森の東端の海沿いをひた走ります。
湖を超えたあたりで徐々に西側へと進み、陸奥湾に面した逆側の海沿いを進みます。
湖が見えるころにはすっかり人家は減り、緑豊かなエリアに突入していました。
核の村 六ヶ所村で感じた印象
途中、風力発電の風車がやたらにある場所を見つけました。
このあたりは六ヶ所村という村で、一昔前にエネルギー関係でちょくちょくメディアに報道されていた自治体です。
エネルギーと言っても、話題になったのはこの風車を用いた風力発電ではなく、原子力発電です。
六ヶ所村には凄まじいほどに核関連施設が集中しており、中でも注目を集めていたのが「六ヶ所再処理工場」です。
端的に言うと各地の原発の使用済み核燃料を集め、それからウランとプルトニウムを取り出すことを目的とした施設です。
建設が始まったのが1993年、2009年竣工予定だったはずが、未だに完成には至っておらず、すでに2兆円を超える費用が投じられています。
東日本大震災を経たことで竣工は大きく遠ざかっただろうし、現状の稼働予定が立っているのかどうかはわかりません。
(追記:今年5月の報道によると、まだ稼働の目処は立っていないそうです)
疑問に思ったのは、「六ヶ所村=金銭的に豊かな村」は果たして事実なのか?ということです。
六ヶ所村は核関連施設の誘致により、国から多額の援助を得ている。
それによって、村の住人の暮らしはめちゃくちゃ豊かだ。と言う噂が一時期流れました。
事実、青森県の市町村民経済計算を見ると、六ヶ所村だけ一人当たりの所得が抜きん出て高い。
他の青森の市町村の住民と比べておよそ6~8倍くらいと、数字だけ見ると別世界の住人です。
ただ、実際に村を通り抜け、短い時間ながら雰囲気を感じ取ったところ、どう見ても金持ちっぽい雰囲気ではありませんでした。
むしろ田舎の中でも寂れた田舎、営業しているのかしていないのかわからないような理髪店が立ち並び、最寄りのコンビニがどこにあるのか検討もつかないような、がっつりめの田舎でした。
この地域の人たちが一人当たり年間1,650万円の収入を得ている?
失礼ながら、あの芦屋市にダブルスコアをつけている街並みやインフラには見えません。
日本で最もリッチな村と言われている愛知県飛島村の場合
・異様なまでに手厚い社会保障
・小・中学生を対象とした海外研修を村が全額負担する
など、外から見てもその豊かさが感じられるエピソードがあるのですが、私が調べた限り、六ヶ所村に目立った話は見つけられませんでした。
(これは政策の舵の切り方だったり、税収と国からの支援の違いだったり、何より私が見つけられなかっただけの可能性もあるので、戯言程度に読み流してください。)
とはいえ、市町村民経済計算に数字が出ているのは事実なので、平均値のマジックで特定のどこかに富が集中しているのでしょうか。
疑問は絶えないながらも、今まで抱いていたイメージとは違う姿を見せた六ヶ所村でした。
追伸
再処理工場やその周辺の施設で働いている人が集まる工業団地みたいなところがあって、そこは目に見えて豊かだったりするのでしょうか。
機会があれば地元の方の話を伺ってみたいです。
なぜこんなところにこんなゴミが
そんなことを考えているうちに車は北上し、横浜町(≠横浜市)を抜け、むつ市へ。
途中えらく派手にゴミが打ち捨てられた場所があり、そのゴミの中に信号の遮断機があったので思わず足を止めました。
なんでこんな原っぱに放置してるんだろう。踏切って何ゴミになるのかなあ。
青森のゴミ処理事情を不思議に思いつつ、車は下北半島の奥深いエリアに進んでいきます。
出発から2時間半あまり、ようやく恐山に到着です。
いよいよこの旅行の本丸に突入します。
それでは今日はこの辺で。