秒速5センチメートルの聖地と場違いなスタジオ

岩舟駅

 

2016年12月、栃木県の岩舟駅に行ってきました。

 

新海作品フリークとして、いつかは秒速5センチメートルの聖地である岩舟に行きたいと思っていたところ、ちょうど18きっぷが1回分余ったため、こりゃ行くしかないと踏み切った次第です。

 

いざ現地に着いてみると、秒速の聖地であること以上に印象に残る建物がありました。

 

両毛線の起点 高崎駅

 

高崎駅

高崎駅

高崎駅に到着。北千住駅に似たビジュアルです。

関東に引っ越して車で群馬の県庁所在地が高崎なのか前橋なのか、自信がありませんでした。

実際に来てみると、さらに自信を無くしましたどっちがどっちかわからん…

若干高崎の方が栄えてる印象がありましたが、東海道線は偉大、ということでよろしいでしょうか。

 

高崎駅のだるま

高崎駅のだるま

高崎駅ではだるまがお出迎え。

高崎では全国の80%のだるまが生産・出荷されているそうです。

だるまの名産ってどういうこっちゃ?と疑問に思ったところ、高崎には少林山達磨寺というお寺があって、縁起だるまの発祥の場所なんだそうです。

 

 

facebookではだるまのお焚き上げの様子が投稿されています。

お札のお焚き上げは見慣れたものですが、だるまのお焚き上げはどこかロックですね。rage against the machineのジャケットみたいです。

 

 

高崎駅両毛線の起点(厳密には違うらしいがややこしいので割愛)で、ここから栃木県の小山駅に向かって路線が伸びています。

 

今回のお目当てである岩舟駅はその途中にあるので、両毛線の車両に乗り込みます。

 

107系

 

今回の旅のお供。

かなり年季が入った見た目です。(107系というらしいです)

一路岩舟駅を目指します。

 

 

 

(そういえば2019年の台風19号の影響で岩舟-栃木駅間が不通になっていましたが、11月に全線復旧したそうです。)

www.shimotsuke.co.jp

 

観光資源に頼らない漢らしい駅 岩舟駅

岩舟駅

岩舟駅

岩舟駅に到着しました。

ホームは若干豪華な装いですが、

 

岩舟駅外観

岩舟駅外観

外から見るとこんな感じ。

掛け値なしの田舎駅です。

 

岩舟駅前

岩舟駅

駅前の様子。

コンビニやスーパーなんぞはありません。飲食物が欲しければ自販機で摂取します。

 

ここまで秒速5センチメートルの「び」の時も出てきていません。

あんな大ヒット映画の舞台になれば、大概の場所だとパネルが立ってたりするものですが、岩舟駅はそんな軟派なことはしません。

ちょっとくらいしてもええんやで、という観光客の本音が漏れそうになります。

 

 

それなら待合室はどうだ。

転校した明里に会うため、岩舟へ向かう貴樹。しかし豪雪のため、電車は思うように進まない。時間は刻々と過ぎていく。貴樹は来てくれるのか。明里は待っていてくれるのか。二人の気持ちは悶々としたまま深夜を迎える。そしてついに貴樹は岩舟に到着、二人は再会を果たした。

その場所が待合室なのである。

 

これを聖地と言わずしてなんというのか。さあ見せてもらおう。岩舟駅の聖地力を。

 

岩舟駅待合室

岩舟駅待合室


なんか思ってたのと違う。

いや、顔はめパネルやファンの駅ノートを期待していたわけではなく、根本的に見た目が違うのだ。

これはもうなんというか、完全に違う駅なのである。

 

 

後から調べたところ、待合室だけは青森の三厩(みんまや)駅をモデルにしており、岩舟駅の待合室は似ても似つかぬ別物なのだそう。

 

そうですか、そうですか。二人の思い出を辿りからには青森に行くしかありませんな。よし、一路青森に向かうぞ。

 

という気力は湧かなかったので、大人しく岩舟駅周辺を散歩しました。

 

岩舟駅前のイカしたスタジオ 

 

岩舟駅周辺です。

 

岩舟駅周辺

 

農耕車優先です。譲らなくても我が物顔で走り回れそうな人口密度です。

 

岩舟駅のケーキ屋

 

ケーキ屋さんがありました。自販機以外からもカロリーが摂取できそうです。

 

片田舎のケーキ屋を一人で切り盛りする30代半ばの女将。派手さはないが、優しい甘さと女将の「いつもありがとうございます」の一言のために、僕は片道1時間ほどかけて、車でこの店に通うのであった。

 

ひとしきり妄想し終えたところで移動します。

 

 

これ以上取れ高はないかな〜と思い、駅の方に戻っていると

 

岩舟駅前の建物

 

怪しげな建物を見つけました。

怪しげと言っても、なんてことない廃墟でございましょう、くらいのつもりで通り過ぎようとすると…

 

中から音が聞こえます。

 

しかもその音というのが町内会のおじさんの話し声や内装工事の機械音といった「あるある系」のものではなく、明らかにバンドが楽器を鳴らしている音でした。

 

「地元の不良学生が忍び込んで廃墟でガチャガチャやっとんのかね」などと考えながら建物の裏側に回り込んでみると

 

Studio-S

Studio-S

 

Studio-S」の文字が。

この建物、音楽スタジオでした。

こんな農耕車優先の場所にスタジオが…度肝を抜かれました。

とはいえ駅から徒歩5分…便利といえば便利なのか。

 

 

長閑な場所で生まれ育った悪ガキ4人。楽器を手にしたその日から、夢は大きくロックスター。今は文化祭くらいしかステージがないけど、いつかは武道館に立ってやるぜ。さあ今日も相棒のストラトをかき鳴らすぜ。

的な未来のスターがここから生まれるかもしれません。(岩舟来てから妄想が多めです)

 

秒速の聖地要素はあまりなかったけど、それ以上に面白いものを見つけられました。

いつの日かStudio-Sが誰かにとっての聖地になるかもしれません。

 

 

それでは今日はこの辺で。