南海フェリーの新造船「あい」に乗って徳島に行ってきた
本州から徳島県にアクセスするには3つの方法があります。
一つは空路。徳島-羽田、徳島-福岡の二路線が就航しています。
二つ目は陸路。明石海峡大橋から淡路島を経由して鳴門市に至るルートです。
そして三つ目、今回フォーカスする海路です。
この南海フェリーが2019年12月に船を一新したということで、年末年始の帰省に合わせて乗ってきました。
南海フェリーのあらまし
前述の通り、南海フェリーは徳島と和歌山を結んでいます。
2019年4月まで職場が徳島だった僕は実家への帰省等で日常的に利用していました。
フェリーの乗船時間は2時間程度で、和歌山港から難波までは1時間半ほどです。
高速バスを使えば徳島-難波間は2時間半ほどなので、時間的にはバスのほうが遥かに優位なのですが、南海フェリーの強みは圧倒的な安さです。
「すきっぷとくしま」という特別切符を使えば、フェリー料金のみならず、南海全線の電車料金がコミコミで2,200円。
高野山から徳島に向かっても2,000円強。これは使うっきゃない(まわし者)。
貧乏社会人してた自分にとってはありがたい日常の足でした。
きっぷは南海各駅の券売機で購入できます。徳島側からはフェリー乗り場でお買い求めください。
また往復割をはじめ各種割引もあります。僕はいつも往復割の存在を忘れて後から悔やんでいます。
そんな南海フェリーですが、2019年12月15日に先代の船「つるぎ」が老朽化のため引退となり、同日から新型車「あい」がデビューすることになりました。
つるぎもめちゃくちゃボロい印象はなかった(というかフェリーなんてだいたいボロい気がする)のですが、見えないところでガタがきていたのかもしれません。
新造船「あい」に乗船
16:10、和歌山港駅に到着。
駅に直結しているフェリー乗り場に向かいます。
余談ですが駅からフェリー乗り場に向かう道中は動く歩道になっています。
和歌山県内で動く歩道が導入されているのはここだけではなかろうかと踏んでいます。
電車で使ったきっぷをスタッフに見せて乗船。
きっぷは券売機で回収されず、そのまま出てきます。
いよいよ新型車両とご対面です。
乗り込むとかわいらしい乗船入口が出迎えてくれます。
つるぎに慣れた人間からすると、この時点で「ずいぶん垢抜けたなぁ」と感動を覚えます。
入口あたりはこんな感じ。
写真で見ると病院か役所に見えますが実物はもっといい感じです。
入口付近はボックス席。グループでご飯を食べたり旅の予定を話し合ったりできます。
飲食物は自販機かインフォメーションカウンターで買えます。
フェリーで食べるカップ麺ってなんか美味しいですよね。というかカップ麺は日常から距離が離れれば離れるほど美味しくなると思う。富士山しかり。
雑魚寝席は複数箇所用意されています。
子供は雑魚寝席が好きなようで、多くのちびっ子が我先と場所取りに向かいます。
ちびっ子よりちょっと年上の僕は身体が痛くなるので雑魚寝席はめったに選びません。
自習席も以前より拡張&グレードアップ。
椅子は固定されているので船の揺れも気になりません。
(そもそも大型船なのであまり揺れません)
コンセントも完備されているのでYouTube好きのキッズも安心です。
カーフェリーの性質が強い南海フェリーはトラックドライバーの乗船も多く、お疲れのドライバー用に仮眠室が用意されています。
注目すべきはグリーン席。
乗船料金に+1,000円すれば船の最前面から海を眺めることができます。
椅子もグリーン席感溢れる高級仕様でした。
僕はこのバスっぽい席に座りました。
座席のカバーには阿波踊りのデザインが施されています。
全体的に和歌山よりも徳島に寄せてる感は否めません。
「あい」という名前が示す通り、全体的なデザインは藍色が基調になっています。
これはかつて徳島が藍の名産地だったことに由来しており、東京オリンピックを前に「インディゴブルー」を全面にアピールして、観光客誘致に役立てようとする意思が感じられます。
徳島に寄せてる疑惑が確信に変わりつつあります。
南海フェリーの設備あれこれ
①トイレ
きれい。
しかも二箇所に増えてる。言うことなし。
②喫煙所
以前はデッキに出れば半ば吸いたい放題でしたが、「あい」には喫煙所が設けられました。
たしかにデッキは風が強く、タバコの灰がバンバン飛び散ってたのでこれは👍。
③Wi-Fi
船内で利用できるフリーWi-Fi。ですが、
ちょっと弱い。速度制限より若干マシくらいにしか使えません。
海上では4G回線も圏外になったりするので、乗船するときは本を一冊持っていくことをおすすめします。
(以前は床屋みたいなラインナップの漫画が置かれていましたが、あいの船内では発見できませんでした)
④ゲーセン
大型フェリーの楽しみの一つが「どれだけレトロなゲームがあるか」という方は多くいらっしゃる(はず)ですが、ニューフェリーではこじんまりしたUFOキャッチャーが数台置かれているだけでした。
以前はスロットが数台置かれていて、古びれた旅館感が演出されていましたが、ずいぶんと縮小されてしまいました。
非常に残念ですが、僕も実際に遊んだことはないので利用頻度は推して図るべしということなのでしょう。
甲板で紀伊水道を眺める
フェリーの醍醐味、甲板に出て海を眺めます。
こんな感じ。窓から顔を伸ばすと
夕焼けが海面に映えています。これ見ただけで2,200円の価値があると言える。
穏やかな紀伊水道の水面はいつまで見ても飽きません。
こちらは船の最後尾。レプリカの舵が設置されています。
本音は2時間ぶっ通しでデッキにいたいのですが、冬の寒さには抗えず10分足らずで船内へ。
海を堪能するなら暖かい季節を待つ必要がありそうです。
徳島港に到着
18:29。ほぼ定刻通りに下船。
久々の徳島港です。
一世代前の萌えキャラたちも健在です。
あいの船体を外から。
「I」と「愛」と「藍」のトリプルミーニングです。
あいのおかげでいつもの徳島来訪がちょっとワクワクしたものになりました。
これに乗るだけで四国旅行の楽しさが4ポイントくらいアップする気がします。
ゆったりした四国旅行なら海路もオツなものかと思われます。
それでは今日はこの辺で。