小笠原旅行記⑨最終日後編 小笠原諸島との別れ 粋な見送りと夢のような時間
2/22 午後2時 おがさわら丸の出航までもうまもなくです。
ハートロックカフェを後にし、港に向かいます。
この船を逃すと次回帰れるチャンスは2/28。さすがに2週間のんびりはできないので、覚悟を決めます。
ここまでの様子はこちらからどうぞ。
父島からの出航
ハートロックカフェの帰りにもう一度大村海岸を目に焼き付け、おがさわら丸が停泊している二見港に向かいます。
二見港は出航を待つ人たちで溢れかえっていました。
二見港にはクジラのモニュメントがあります。
その前で小学生くらいの子供達が島の歌と思われるものを合唱していました。
内地の学校が来島していたのでしょうか。代表の子供が島の人にレイをかけたりする様子を、港にいる人たちが見守っていました。
我々一行も記念撮影を終え、船に乗り込みます。
宿で一緒になったメンバーのうち二人は滞在を延長すると言っていました。
中でも一人は一ヶ月滞在することにしたのだとか。島内での仕事についても話してたし、ひょっとしたら新たな島民になることを考えているのかもしれません。
胸が熱くなる島民の見送り
船のデッキは先に乗船した人たちで溢れかえっています。
理由はほどなくしてわかりました。
船に乗り込むと…
島民の皆さんが港に集まり、「いってらっしゃーい」と手を振ってくれています。
「さようなら」ではなく「いってらっしゃーい」です。ここは貴方の家だよ、また帰ってね、というニュアンスを含んだ言葉です。
中には太鼓を叩いて出航の安全を祈願してくれる人もいました。
人波に阻まれて多くの写真は取れませんでしたが、この他にも小笠原の伝統的な踊り「南洋踊り」を披露してくれていました。
島に残った友人たちも手を振ってくれています。
4日間の思い出が込み上げてきます。
出航の時間になり、おがさわら丸がゆっくりと進み始めました。
見送る人たちが少しずつ小さくなっていきます。
一人一人の顔がわからなくなるくらい島が遠ざかった頃、
たくさんの小舟が追いかけてきました。
小舟の上の人たちも手を振ってくれています。
手を振ってくれているこの方
おもむろに水面を確認し
飛び込みました。
他の舟の人もじゃんじゃん飛び込みます。
楽しそう
飛び込むと見送りはおしまいで、一隻一隻と舟が帰っていきます。
最後の一隻。こんな沖で飛び込んだら危ないんじゃね?と思ったものの、この舟は飛び込みませんでした。
小舟たちが引き返すと、父島はすっかり小さくなっていました。
地図で見ると2kmくらい離れたあたり。
方角を変えると何もない大海が広がっていました。
東京に帰還
ここから再び24時間の船旅です。
夕方に一度デッキに出て夕焼けの空を見ます。こんなに綺麗な水平線を見るの、次はいつになるかなぁとか考えながら感慨に耽ります。
夕食の時間になり、みんなとラウンジで集合。
この後は波が激しくなったこともあり、日が昇るまで部屋にこもっていました。
翌日昼
東京湾に入り、房総半島が見えてきました。
14:30 海ほたるが見えてきました。
東京はすぐそこです。
そして15:30 竹芝埠頭に到着しました。
昨日までは全く目にしなかった高層ビルが視界に飛び込んできます。
東京に帰ってきました。小笠原は遠い場所になってしまいました。
この日は友人と飲む約束をしていたので、日比谷に向かいます。
2月末、コロナの自粛はまだ始まっておらず、街には人が溢れかえっています。
ここにはタコノキもビロウも生えていないし、ノヤギやイソヒヨドリもいません。
ふわふわした気分のまま、街を歩きます。
居酒屋に到着。2時間くらいの飲み会で、すっかり現実に引き戻されました。
夢のような時間もすでに3ヶ月前の出来事。いつかまた小笠原の海を見れる日を願い、今日も街でがんばります。
それでは今日はこの辺で。