小笠原旅行記① おがさわら丸で24時間の船旅と船内紹介
2/18~2/23にかけて、小笠原諸島の父島に行ってきました。
昔から行きたいと思いつつ、そのアクセス難度の高さに何度も断念を繰り返し、今月半ばからの有休消化期間についに悲願を達成しました。
そんな小笠原の魅力と自分なりの考察を数回に分けて綴ります。
小笠原諸島のアクセス難易度
小笠原のアクセス難易度ポイント①
唯一の手段は24時間の船旅
小笠原諸島とは父島列島、母島列島、聟島(むこじま)列島の3つの列島からなる島群で、その全てが世界遺産に指定されています。
有人島は父島、母島の二つで、本州から向かう場合は港区の竹芝ふ頭から父島に向けておがさわら丸という船で24時間の船旅、その後父島から母島はははじま丸に乗って2時間程度です。
これ以外のアクセスは一切ありません。飛行機やプロペラ機は飛行場がないため存在せず。旅行はもちろん、島に住む人たちがちょっと内地に遊びに行こうと思っても24時間の船旅からは逃れられません。
また、乗船中は東京湾を出てしまうと、小笠原に到着する寸前や八丈島をかすめるタイミングを除き、一切電波が入らないため、何かしらの暇つぶし道具を持っていかないと時間の過ごし方に苦労します。
小笠原のアクセス難易度ポイント②
船がめちゃくちゃ揺れる
また、おがさわら丸は恐ろしいほど揺れます。
船体はめちゃくちゃ大きくて、一見すると揺れるような風体ではないのですが、太平洋の荒波はそれを凌駕します。
詳しくは後述しますが、東京湾を出た後の船内はちょっとした阿鼻叫喚でした。
酔い止めを飲んでいなかったらと思うとゾッとします。
小笠原のアクセス難易度ポイント③
6日間の休みを確保しないといけない
さらに、おがさわら丸の航海頻度は6日に1回です。
今回の旅程は2/18に竹芝を出発して19日に島に到着、その後2/22に帰りの船に乗船し、23日に本州に戻ってきました。
というのも、おがさわら丸は島の物資を大量に積み込み、帰りは廃品やゴミを積み込むため、停泊する時間が必要なのです。
したがって、小笠原諸島に遊びに行こうとすると、最低でも6日間の休みがないとたどり着くことができません。途中で急な用事が入っても帰ることはできません。
これが一番の障壁でした。社会人になってしまうと6日間の休みを確保することは容易ではなく、転職にあたっての有休消化期間は最大のチャンスでした。
今回は2月下旬だったこともあり、卒業を控えた大学生が多数乗船していました。
24時間を共にするおがさわら丸に乗船
2/18 午前10時。竹芝ふ頭に到着しました。
この日は乗船券の引き換え(引換券は事前にインターネットで取得)の他に、島内でのコロナウイルス感染を防ぐため、体温チェックと問診票の提出が求められました。
2日前まで風邪を引いていたので、ここで乗船拒否されたら諸々支払った料金が全部パーになると戦々恐々でしたが、特に問題なく乗船できました。
いよいよおがさわら丸に乗船です。
900人近く乗れるそうです。すごい。
冬場ということもあり、あんまりお客さんはいないかもと思っていましたが、蓋を開けてみると超満員。なんでもホエールウォッチングのハイシーズンなんだそう。小笠原にはイルカやクジラ目当ての観光客もたくさんいます。
船内エントランスのあたり。めちゃくちゃ綺麗です。船って往々にして寂れているイメージがありますが、おがさわら丸はポップで可愛らしい内装です。
というのもこのおがさわら丸は三代目で、2016年に新調された新型船なんだそうです。
今でこそ片道24時間ですが、就航当時は44時間程度かかっていたそうです。当時は時間を潰す術もないし、船の揺れも今より大きかったんだろうなぁ…と考えると、昔の人に畏敬の念を抱かざるを得ません。
荷物を下ろすため、自分の部屋に向かいます。
飛行機と同様、乗船券に自分の部屋が記載されています。
僕が予約したのは「2等寝台」と呼ばれる部屋で、カプセルホテルのような個室です。
片道26,930円、一つ下の「2等和室」は雑魚寝で23,640円、一つ上の「特2等寝台」は機密性が上がったり各部屋にテレビがついたりして35,750円。個人的には2等寝台が一番コスパがいいと感じました。
ちなみに一番上の「特等室」はホテルのような室内に専用デッキ・ラウンジがついて70,450円。僕が使うにはあと10年はかかりそうです。
荷物を降ろし終わったら出航の様子を見るためにデッキへ。
本当にたくさんの人が乗船しているらしく、少し気圧されました。
おがさわら丸の船内散策
波が穏やかな東京湾内にいる間に船内を散策します。
このおがさわら丸、なんと8階建てです。でかいビルが海の上を走っているようなものです。
(1階は立ち入りできない(多分荷物を積んでいる?)ため、散策できるのは実質7階分)
おがさわら丸 4F
まずは自室がある4階。先述のエントランスの他に、
- レストラン
- ロッカー
- キッズルーム
- 自動販売機
- 給湯器
- 電子レンジ
- 授乳室
- シャワールーム
- トイレ
- 洗面所
がありました。
トイレは各階、シャワールームは客室がある2~6階に全て設置されていました。
電子レンジや給湯器、自販機も乗客が不便しない頻度で特定の階に設置されていました。
また、一角にはインフォメーションセンターなるものがあり、常駐スタッフが観光情報の発信や船内の案内をしていました。
おがさわら丸 3F
一つ下の階に降って3階へ。
ここには自販機や給湯器、喫煙室の他にミニサロン南島というリラックススペースがありました。
テレビを見られる(どうやって電波拾ってたんだろ)ほか、乗客同士の語らいに使われていました。
ただ、この夜のおがさわら丸はめちゃくちゃ揺れました。気持ちよく飲んでいたおじいちゃんがグロッキーになっていたりして、おがさわら丸で飲みすぎるのは危険だなあと学びました。
おがさわら丸 5F
おがさわら丸の5階は客室が中心です。目立った設備としては喫煙所がありました。
この喫煙所は窓が設置されているため、外の状況が船内から見られます。
波が高くなるとデッキが封鎖されるため、波の荒れ具合はここから確認していました。
おがさわら丸 6F
6階には売店「ショップドルフィン」があります。
軽食や冷凍食品、お土産に週刊誌、挽きたてのコーヒーなんかもあったりして、何度も利用していました。
おがさわら丸 7F
7階にあるのは展望ラウンジ Haha-jima。
フードやお酒も販売していて、食事の時間になるといつも賑わっていました。
下船寸前になると食べ物のディスカウントが始まるので、次回以降はその時間を狙っていこうと思います。
飲食物の提供は21:30頃には終了しますが、スペースは解放されているので、持ち込んだ食べ物をここで食べることもできます。夜になるとデッキに出られなくなるので、夜景を眺めたり、日の出までの待機に利用している人が多かった印象です。
おがさわら丸 8F
8Fは「スカイデッキ」という名の展望デッキです。海や星、日の出や日の入りを見るために利用されます。
ベンチに寝転がって星空を見てる時間が最高でした。(船が明るいので小笠原に着いてからの方が綺麗に見えましたが)
基本常に風が吹いているので帽子を被っている人は注意が必要です。また、利用可能時間は日の出から22:00までで、波が高くなると封鎖されます。
2階はほぼ客室だけなので、今回は立ち入りませんでした。
この後夕日を見にデッキに向かいましたが、あいにくの曇りで綺麗な日の入りは臨めませんでした。
日が沈んだ後は波がきつくなってきたので、終始自分の部屋で寝転がっていました。
トイレに行く途中で転んでいる人もいて、不慣れな内地の人間には過酷な環境でしたが、冒険心をくすぐられてワクワクしている自分もいました。
おがさわら丸から朝日を見る
6:00頃、日の出が近づいてきたのでデッキに出ます。
この日の朝も雲に隠れて綺麗な日の出は見えませんでたが、隙間からのぞく太陽が神秘的で、これはこれで味わいがありました。
小笠原諸島 父島に到着
10:00頃、いよいよ小笠原諸島が見えてきました。
海の色が内地のそれと全くの別物です。テンションが上がってきます。
下船の瞬間を待ちます。頬に当たる風も南国の暖かさです。
11:00過ぎ。到着&下船!
早速船の荷下ろしが始まります。
パトカーには「警視庁」の文字。東京都内なので当然といえば当然ですが、1000km離れた場所で見る「警視庁」にほのかな違和感を抱きます。
一般の乗用車は品川ナンバーでした。
港にはそれぞれの宿からお迎えが詰め掛けています。
荷物を宿に預け、小笠原での1日目、島内散策に向かいます。(次回に続きます)
それでは今日はこの辺で。