小笠原旅行記④ 2日目 父島の景勝地をレンタルバイクで廻る
2/20 小笠原諸島 父島滞在2日目を迎えました。
この日は一緒に泊まっている人たちとレンタルバイクで島のビューポイントを巡りました。
海が取り上げられがちな小笠原ですが、山も負けないくらい見所が満載でした。
おがさわら丸出航〜1日目の様子はこちらをどうぞ
長崎展望台〜旭山山頂を目指す
午前8時。昨日の宴会を引きずって少し遅めの起床。
朝は宿のオーナーが入れてくれたコーヒーからスタートです。
早速レンタルバイクにまたがり散策スタート。
原付は繁華街にある小笠原観光協会でレンタルしました。
最大貸出期間が72時間、料金は保険込みで4,800円と、思ったよりお値打ち価格でした。
最初の目的地は長崎展望台です。
父島には島を縦断する東側と西側の2本の道路が走っています。このうち、東側はアップダウンが大きく、北側に行くに連れてワインディングロードになっていきます。この日は東側の道をグリグリと走っていました。
原付を運転している時の写真は撮影できませんでしたが、走っている時の景色は最高でした。距離は長くありませんが、バイクで走ったらさぞ気持ちいいと思える道でした。
長崎展望台は父島では貴重な(?)アクセスしやすい展望台です。道なりに走っていれば難なく到着できます。
続いて旭山山頂へ。日の出/日の入りが綺麗に見えると評判のスポットでしたが、この日はあいにくの天気だったため、半端な時間に向かいます。
登山中に多く見かけたこの植物はマルハチ。小笠原に多く自生している植物で、漢字の「八」をひっくり返して○で囲っているような模様からその名がつけられました。
途中大きな横穴を発見。
クマはいないので、大戦時に防空壕として使われていたのでしょうか。
ほどほどに疲れながら山頂に到着。
少し小雨がぱらついてきましたが、360°のパノラマビューは壮観でした。
ランチは島民に愛される中華料理店「海遊」で
山登りでお腹も減ったところで、一度街中に戻り、昼食をとります。
(景勝地から気軽に街中に戻れるサイズ感も小笠原のいいところです)
この日の昼食は中華料理店の「海遊」。小さな父島で観光客が訪れない店は基本的にありませんが、海遊はどちらかと言うと地元の人に愛されるローカルなお店という印象を受けました。
僕が選んだのは「アカバラーメン」。小笠原の近海でとれるアカバ(アカハタ)で出汁をとった塩ラーメンです。
想像以上にアカバの出汁が効いてました。めちゃくちゃ美味しい。暑い南国だからでしょうか、塩気もやや強めで、僕好みのラーメンでした。
「結局地元の人が行く店が美味しいんですよ」という宿で出会ったトラック運転手のおじさんの言葉を思い出します。
昼食を食べ終わると天気が回復していました。午後の幸先も良さそうです。
カメ観察とお気に入りのビーチ
午後の一発目は「小笠原海洋センター」に向かいます。
小笠原で多く見られるウミガメの研究をするとともに、観光客や島の子供達向けにカメを展示している施設です。
到着するとたくさんのウミガメがお出迎えしてくれました。
特にアオウミガメの「コータくん」は飼育員さんイチオシの「イケメンウミガメ」らしく、その愛を熱く語ってくれました。
イケメンか…確かに精悍な顔つきに見えないこともない…だいぶ飼育員さんに刷り込まれました。
エサをあげたりもできます。
僕が住んでいた徳島県もウミガメが有名で、産卵期になると海岸で目撃されることがしばしばあるそうです。(僕は見たことない)
カレッタをはじめとするウミガメ観察施設もあったりするのですが、徳島県で主に見られるのはアカウミガメで、小笠原でよく見られるのはアオウミガメです。アオウミガメの方が暖かい海に生息しているんですね。
アカとアオの見分け方はこちらのページで詳しく解説されています。アオウミガメの方がイケメンっぽいですね。
カメに癒されて体力回復したところで、前日に引き続き境浦海岸へ。昨日と違うところは面子が4人に増えていることです。
流木にくくりつけられたブランコに乗って夢心地に浸ろうとしましたが、ロープの長さが左右で違い、うまいこと漕げず四苦八苦しました。
南の島らしくココヤシの実を割って飲んだりしてみます。
が、海に浮かんでいた実のため、めちゃくちゃしょっぱい。飲めたものじゃありませんでした。
すっかり境浦海岸が気に入った我々は、翌日沈没船に暮らす魚を見るためにシュノーケリングしに来ることを決めました。
泳ぎが苦手な僕はその決定を戦々恐々としながら聞いていました。この盛り上がってる空気に水をさすことは許されない。
魔境・初寝浦へ
みんなと別れた後、原付を飛ばして初寝山に向かいました。
初寝山は「登る山」ではなく「下る山」です。
登山口からどんどん降っていき、ゴールの初寝浦海岸を目指します。
この遊歩道の恐ろしいところは圧倒的な傾斜です。
宿のスタッフからは「軽い気持ちで行かない方がいい」と釘を刺されました。この時の僕の気持ちは軽くも重くもないニュートラルな気持ちでした。とりあえず来た手前、遊歩道に足を進めます。(登山だと死ぬパターンですね)
しばらく歩いて展望台に到着です。まだ道程の序盤も序盤。次第に沈む太陽を見ながら、引き返す勇気も必要では?と自分に問いつつ、脳を殺して前進します。
この後、こんな感じの道をひたすら歩きました。
南国のジャングルを楽しんでいたのは最初の数分だけで、あとはひたすら無心で足を前に進めていました。
ジャングル探報開始から50分、初寝浦海岸に到着です。
波に押し戻され続けるボールを見て下半身の回復を待ちます。
誰もいないビーチで「このビンはどこからやってきたのだろう…」とか詩的なことを考えていました。身体が回復するまでの時間稼ぎです。
完全回復よりも早く日が沈んできました。日が沈むと帰れないかもしれない。マジで。ここは電波も通じない。セルフ無人島ライフはきつい。お腹も減ったし。
自らを鼓舞して帰路に着きます。
午後6時前、登山口に帰還。
完全に日が沈み、途中怖くてひたすら独り言を言っていました。人間は無力だなあと実感しました。
ヘロヘロになりながら宿に戻り、繁華街に向かいます。
この日のお目当てはBar CREYON。アメリカンな佇まいで、これはこれで小笠原っぽいと感じました。
店を出て空を見上げると満点の星空が広がっていました。
出発から3夜目、夜空がくっきりと見えたのはこの日が初めてでした。
道に寝転がって夜空を見ていると、どでかいカエルと対面。
寝転がる時に踏み潰すところでした。よく見ると周りに10匹くらいいました。
先客に敬意を払いつつ、身体が冷え切るまでその場に寝転がっていました。島に来たって感じがするなあ。
それでは今日はこの辺で。